東京は原宿、代々木公園に集うローラー達の肖像である。午後2時を過ぎると30人程度のグループがロックンロールに合わせて踊り出す。髪型はリーゼント、服装は真っ黒いレザージャケットかデニムのジャケット。20代から40代を中心にした男達が東京近郊から集まる。通称ローラーと呼ばれる彼らは、昼間からビールを浴びるように飲んでは日が暮れるまでロックンロールに合わせて踊る。

踊る彼らの周りにはいつも外国人観光客など、オーディエンスが取り囲み、記念写真を一緒に撮ろうとねだる。花見の季節には決まって通行人とケンカになる。路上での出来事なのでルールなんてない、毎週何が起こるかわからない。そんな彼らを単にドキュメントするのではなく、オーディエンスを含めたその場全体の高揚感を記録したかった。寒い日もあれば暑い日もある、雨の日もある、愉快な時もあればそうでない時もある。そういったことを全部ひっくるめて受け止めたかったし、記録したかった。

機材は日本製のスウィング式パノラマカメラの「WIDE LUX F7」を使った。140度の広い範囲がパンフォーカスで写せるのでその場で怒っている事の多くが勝手に写ってしまうのだ。フィルムを現像してみないと何が写っているのかすらわからない。これが写真の醍醐味。

きっかけは、2005年リーダー格の男との出会いだった。その場所を訪れたとき一人の男の姿が目に焼き付いた。黒い髪はポマードでがっちり固められ、太い腕と胸にはタトゥーが何箇所か入っており、異国を感じさせる顔立ち。その男に声を掛け撮影した。「毎週踊っているからまた来て下さい」と物凄く丁寧な口調で誘ってくれた。それから毎週少しずつお互いのことを話して、一年に一度くらいはお酒を飲みに行った。会う度に素敵な話をしてくれた。プロボクサー時代の話や、離ればなれに暮らした娘との再会の話、20年間の原宿の話、そしてこれからの話。

日曜日の代々木公園、休日の賑わいの中で彼らは体いっぱいで肉体を体現し、熱を放射する。

SUNDAY HARAJUKU

元田敬三 (Zushi, Japan)

33.3 x 13.1 cm
72 Pages
76 Images
Softcover with Slipcase
Doubletone Offset
Edition of 500
ISBN 978-4-905052-43-2

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