Mountain Photographer 寅彦

ホンマタカシ (Tokyo, Japan)

その男とは山の温泉で出会った。男の背中は山のように大きかった。男は寅彦と名乗った。男は山の写真を撮っていた。以前は東京でファッション写真を撮っていたが嫌になって山に来たそうだ。

男に一緒に山に連れていってもらった。山はドコまでも大きく高かった。男の背中を見ながら追いていくのがイッパイだった。男と頂上でオニギリを食べた。美味しかった。

それっきり男と連絡がとれなくなった。北海道で鹿狩りをしているという噂や震災後、福島第一原発で作業員として働いているという噂を聞いた。

秋になりボクは風をあつめて青空を駆けたいんですと夢想しながら寅彦の事を想っていた。

冬になり、ある日ポストにうす汚れた封筒が入っていた。封筒の裏にはただ寅彦となぐり書きされていた。中には小さい粒子の荒れたプリントが18枚入っていた。

16.2 x 24 cm
40 Pages
20 Images
Softcover
Offset
Edition of 1000
ISBN 978-4-905052-43-2

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