look inside

w21.3 x h29.4 cm
64 ページ + 別帳8ページ 
並製本(ミシン綴じ)
カラーオフセット印刷
初版
Published in 2021
ISBN 978-4-908512-50-6

ハロー ダークネス

半沢克夫 (Tokyo,Japan)

ハロウィンとの出会いは、唐突だった。
朝帰りの渋谷センター街で目の前を走り去って行った怪物集団。
慌ててカメラを向けたが間に合わなかった。
翌年、再びセンター街へ向かった。
そこにはいつもの渋谷とは違い、異様な空気に包まれていた。
どこから湧いてきたのだろうか。カラフルな衣装や奇抜な出で立ちの若者たちが、渋谷の街中に溢れていた。
彼らを写真に収める時間はおそらく数秒だろうから、カメラは全自動のCanon mark Ⅱ 、レンズは透明感重視でタムロン45mmを選択、身軽に動き回るため全ての撮影をこのカメラ1台で撮影する事に決めた。
魅力ある被写体を探し、撮影の許可をとり、真正面からポートレートを撮影した。俺の中の本気スイッチが入ったのは、終電後のセンター街からだった。昼の疲れから化けの皮が剥がれ、日常に戻った怪物達と帰る気のない見物人達の虚実入り乱れてのカオス状態。その非日常感が期待以上のフォトジニックな世界を創っていて、その中に入り夢中になって写真を撮り続けた。徐々に撮影方法も見えてきて、2015年から2019年まで5年間夕方から早朝まで撮影を続行した。
それにしても日本の若い人達の想像力や表現力には驚くばかりだ。圧倒的な若さのエネルギーに呆れかえって笑うしか無かった。若い人達の心の闇から飛び出してきたダークでポップな怪物達に、古い常識の中にどっぷり浸かり安住している大人達は戸惑い、驚き、批判の口実を探した。新しい文化が日本に入ってきた時に起こってきた島国日本の歴史的珍事。
それでも好奇心あふれる見物人が毎年増え続け、ピークに達して限界を超えたところでコロナ禍で消えた。
ハロウィン東京化の若き主役達の5年間の記録を是非楽しんでください。