Photosynthesis with Min Tanaka
Keiichi Tahara
(田原桂一)

¥10,000 JPY

These photos come from multiple photo sessions I conducted between 1978-1980 with the dancer Min Tanaka, exploring the relationship between physical light and the human body.

We experimented with various types of light, ambiences and seasons. The locale was broad, ranging from the metropolitan to the natural; Paris, Rome, New York, Iceland, Bordeaux, Tokyo, Kujuu-Kurihama and Akigawa-Keikoku. The motive was to observe how a dancer's body adapts to outer stimuli, or to rephrase it: a human body reaching into the light with its raw skin and nerve endings.

Only sounds of the camera clicking and rewinding film accompanied our steps.

Although this work has been nearly abandoned for the past 35 years, today it holds special meaning to the both of us in revisiting our creative starting points.

Keiichi Tahara


w21 x h28 cm
136 Pages
66 Images(b/w)
Hardcover clothbound
Doubletone Offset
English text
First edition
Published in 2016
ISBN 978-4-905052-97-5



1978年から1980年の3年間にかけてダンサー・田中泯氏とともに試みた「光と身体」の関係性についてのフォトセッションである。

1978年10月、パリ・フェスティバル・ドートンヌ《間展》からこのプロジェクトは始まった。まだパリで「窓」の作品を撮り続けている最中、私が27歳、泯さんが33歳の時だった。光によって、見るという行為やそれに伴う感情が如何に翻弄されるか、そんな事ばかりを考えていた時期であった。「身体気象」という言葉が私たちを結びつけた。まさに光と身体が出会う瞬間である。私の写真行為のなかでこのプロジェクトは「対象」と「主題」が渾然と入り混じった実に不思議な3年間であった。

パリ、ローマ、ニューヨーク、アイスランド、ボルドー、東京、九十九里浜、秋川渓谷等、様々な都市のもと、そして大自然の中、異なった光や大気や季節の中で、ダンサーの身体がどのように反応して行くのか、あるいはただ単に人間の皮膚が神経がその触手を光の中にどのようにのばして行くのか。

フランス・ボルドーに残っている旧ドイツ軍が建造したUボートの潜水艦基地。空爆に耐えられるコンクリートの塊で覆われた巨大な器。複雑な光と記憶が交錯する空間のなかで誰一人観る人もなく光と身体が絡み合っていく。

アイスランド、6月、白夜の季節、地熱地帯を昼と夜の境目も定かではなく車で次々と撮影場所を求めて走り回り続けた。沈むことのない太陽、地面は熱を帯びて黒々と光り輝き、静寂だけが我々の周りにあった。シャッターを切る音とフイルムを巻き上げる音だけが、歩を進めて行った。

35年間、何故か放置されていたが、我々二人にとって今まさに原点回帰となる作品である。

田原桂一


w21 x h28 cm
136 ページ
66 イメージ(白黒)
上製本布装
白黒オフセット印刷(本文)
初版
Published in 2016
ISBN 978-4-905052-97-5